REVIEW · 放送・映像
MAKOTO.「イミテイション・ゴールド」、新しい恋人を見る古い物差し

カラオケ番号
題名は本物と偽物の判定を想像させる。しかし曲の物差しは金の客観的な純度ではない。新しい人に会っても、以前の関係が基準として残る心だ。今の相手を見ながら、別の人との違いばかりに気づく。
MAKOTO.はMBN『日韓歌王戦』の自己探査戦で山口百恵のこの曲を歌った。公式クリーン版の放送表記は2024年4月9日。カバーを読む入口は、日本歌謡の大きな象徴性より、一人の中で二つの時期が重なる居心地の悪さにある。
違いばかりが見える心
原曲は阿木燿子が作詞、宇崎竜童が作曲。Sony Musicは1977年のヒット曲として紹介する。中心にあるのは、関係が終わっても残る比較の習慣だ。新しい人が近くにいても、心は昔の関係の目盛りを取り出す。
それは今の恋人に公平ではない。どれほどよくしても、他人と同じにはなれないからだ。緊張は新しい恋人の魅力の評価から生まれるのではなく、語り手の目が本当に現在へ向いているかという問題にある。恋を始めても、過去の読み方まで同時には変わらない。
偽物という言葉の行き先
題名だけで新しい愛が偽物だと決めると、不快さは小さくなる。悪い人に会ったからだと説明できる。しかし比較は相手の落ち度から始まらない。変わらない自分の基準が、今の人に貼る名前なのかもしれない。
そう聞けば、題名の鋭さは語り手自身へ戻る。新しい関係にいても物差しを変えられない。その二重の状態に気づくから申し訳なさも生まれる。感情に正直なことと相手に公平なことは一致しない。単純な失恋の人物より複雑に感じる理由だ。
MAKOTO.が担う一人の場面
自己探索戦は一曲で自分を紹介する場だ。MAKOTOの歌唱は、今の恋人を過去の基準で見る人物をステージに置く。心が別の場所にある語り手の不公平さと申し訳なさが、一つの声に残る。
残るのは新しい恋人の落ち度より、語り手が変えられないものだ。模造品という評価は相手だけに向かわず、同じ基準を手放せない心も明かす。MAKOTOのカバーから原曲へ戻れば、その居心地の悪い視線を別の声でも聴ける。
見返すときには華やかな金色の後ろの、小さな不公平を考えたい。今いる相手に過去の姿を求める心。この曲が残す問いは、新しい愛の真偽より、それを見る目をどう変えるかに近い。
音源・制作情報
MBN · MAKOTO.「イミテイション・ゴールド」自己探査戦 ↗ · Sony Music · 山口百恵 ベスト・セレクション Vol.1 ↗ · 歌ネット · 「イミテイション・ゴールド」歌詞・クレジット ↗





