REVIEW · コンサート・ライブ
sis(シス)、二つの言語でつないだ『めぐり逢い ありがとうコンサート vol.10』

めぐり逢い ありがとうコンサートの主な楽曲
主なレパートリー · 順不同
- DIVER
- ミチシルベ
- 青い珊瑚礁
- DING DONG ください · 韓国語版
- 愛のバッテリー · 韓国語・日本語
『DING DONG ください』は韓国語版で、『愛のバッテリー』は韓国語と日本語を分けて歌った。
sis(シス/SIS/T)が2026年8月1日、東京の大田区民ホール・アプリコ小ホールで開かれた『めぐり逢い ありがとうコンサート vol.10』に出演した。
日韓文化交流を目的とする公演で、異なるジャンルや活動背景の出演者が同じ舞台で音楽とパフォーマンスを披露した。合唱、ピアノとマンドリン、韓国伝統楽器、K-POPカバーダンスと続き、最後の第3部にsis(シス)のライブが置かれた。
グループは全プログラムの最後を担い、流れを締めくくった。前半で伝統音楽と大衆文化、合唱と踊りなどから両国が紹介されたなら、第3部はかのうみゆ、MAKOTO.(マコト)、太良理穂子、あさ陽あいの歌とパフォーマンスを軸にした本格的なアーティスト公演となった。
特に韓国語版や両言語の歌詞を使う舞台で、交流という趣旨を自然に表現した。言語を並べるだけでなく、一曲、一舞台でつなぎ、交流の意味を直接示した。
第10回の『めぐり逢い ありがとうコンサート』――音楽で続けた日韓交流
同公演は国交正常化50周年の2015年から続く文化交流行事だ。10回目は、支えてきた出演者、関係者、観客へ感謝を伝え、音楽と公演による交流を再確認する場として開かれた。
一ジャンルの演奏会より、多世代、多分野の総合文化公演に近い構成だった。日韓の出演者がそれぞれの歌や踊りを示しつつ、一つの交流舞台を作った。プロだけでなく合唱団、ダンスチーム、伝統音楽奏者も参加し、一般的な単独公演とは違う性格を持った。
全3部に分かれ、第1部は合唱、器楽、韓国伝統音楽で落ち着いて開き、第2部はK-POPダンスで速く躍動的な空気へ移った。最後はsis(シス)のライブが、前の諸ジャンルをまとめるフィナーレを担った。
合唱から器楽、伝統からK-POP、四人のライブという構成は、性格を明確に示した。別々に隔てるより、進むにつれ雰囲気と表現が広がり、最後には伝統と現代、両国の接点を一続きにまとめた。
小ホールも複数組の公演に合っていた。大会場より距離が近く、表情や動き、曲ごとの空気を直接伝えられる。規模を大きく見せるより、各人の音楽と表現を近くで届ける空間だった。
合唱と器楽で始まる第1部――異なる音楽の出会い
冒頭はマンナユースクワイアの合唱だった。映画音楽や合唱曲を中心に、多数の声が混ざる響きを届けた。動きや視覚演出より歌と和声へ焦点を当て、落ち着いて開幕した。
合唱は一人を強調するより各パートの釣り合いに意味がある。声が旋律で出会い、役割が重なって全体の響きを作る点が交流の趣旨とも重なる。異なる人が各自の方法で完成させる方向を、最初に示したのだ。
ピアノとマンドリンの二重奏では『Serenata malinconica』『Saltarello』『When I Grow Up』などを演奏した。安定したピアノの旋律へ澄んだ繊細なマンドリンの音が加わり、合唱と違う形で幅を広げた。同じ演奏会でも声と楽器が異なる空気を作る順番だった。
韓国伝統楽器では『アリラン』『Areumdaun Nara』が含まれた。日本の交流行事で代表的旋律と音色を直接紹介する意味があった。『アリラン』のなじみ深い情緒と後者の叙情的流れで、日本の観客へ韓国音楽の空気を自然に届けた。
韓国文化を固定イメージだけにしなかった点も目立った。伝統を象徴的な独立枠とするだけでなく、合唱と西洋楽器の間へ自然につなぎ、異なる音楽を共存させた。説明より音や旋律で趣旨を示す構成だった。
落ち着く合唱、繊細な二重奏、韓国伝統の情緒と続く第1部が基盤を作った。ジャンルと楽器は違っても分断されず、自然に次へ進み、後のダンスとライブを受け止める流れとなった。
K-POPカバーダンスで転換――第2部の世代間交流
第2部はK-POPダンスで速く躍動的に進んだ。Team Meiji(チーム・メイジ)はEXO(エクソ)の『Growl』とJUNG KOOK(ジョングク)の『Standing Next to You』、KカルチャーダンススクールはBTS(防弾少年団)の『IDOL』やYENA(イェナ)の『NEMONEMO』などのメドレーを披露した。カバーダンスサークルmirae(ミレ)もaespa(エスパ)、Hearts2Hearts(ハーツトゥハーツ)などの多彩な演目を続けた。
第1部の声、楽器、伝統旋律に対し、踊りと動きを前面にした。各組が原曲の主要振付や空気を自分の方法で表し、群舞で素早く転換した。同じ韓国音楽も伝統楽器と現代K-POPで異なる表現になることが自然に示された。
選曲も一時期だけではない。長年のEXO(エクソ)、BTS(防弾少年団)からソロ、新しいYENA(イェナ)、aespa(エスパ)、Hearts2Hearts(ハーツトゥハーツ)まで幅広い。世代と様式の異なる選択は、日本のK-POPが単一の流行を越え、多世代参加の文化へ広がることも示した。
カバーも再現だけでなく、現地参加者が韓国文化を自らの身体で解釈する交流の形だ。聴き消費する先で振付を学び、舞台で披露し、参加者が主体となった。
後半の空気も本格的に高めた。合唱と器楽から活発な流れへ移り、後のライブへ自然につないだ。順番に紹介するだけでなく、ジャンルの変化で全体の速さと力が広がる構成だった。
両部は異なる接点を示した。第1部は伝統旋律、楽器、合唱で音楽そのものへ集中し、第2部は同時代の踊りで直接的な交流を示した。二つの流れは最後のライブへ続いた。

第3部のメイン、sis(シス)――五曲のフィナーレ
前二部の後、最後のメインとして出演した。かのうみゆ、MAKOTO.(マコト)、太良理穂子、あさ陽あいは、合唱、器楽、伝統、ダンスを受け継ぎ、四人の声とパフォーマンスによる本格ライブを届けた。
複数組の交流行事で最後を担うのは、順番以上の意味を持つ。前の空気を継ぎつつ全体をまとめ、最後の印象にも責任を持つからだ。第3部全体を自分たちで満たし、締めくくった。
演目は躍動的な新曲『DIVER』、あさ陽あいが作詞に参加した温かな新曲『ミチシルベ』、『青い珊瑚礁』『DING DONG ください』『愛のバッテリー』の五曲だった。
五曲は空気も表現も明確に違った。強い力とパフォーマンスを出す曲もあれば、詞と感情を重視する曲もあった。世代を越すなじみの歌や両言語の舞台が加わり、一ジャンルや概念にとどまらない幅を示した。
初見には四人の声と表現の違いを一度に確かめる構成で、既存ファンにも新曲を含む五曲を同じ公演で比べる時間となった。
中心は四人のライブと呼吸だった。各パートで個性を見せつつ、全体では釣り合った。一人が出すぎず流れに沿って中心が動き、強みを生かして一つの空気を保った。
ダンスとは違う空気も目立った。第2部が群舞の速度なら、第3部は振付とともに歌唱、表現、その場の呼吸が重要だった。再び声とライブへ移り、多様な音楽をアーティスト公演で閉じた。
躍動の『DIVER』と温かな『ミチシルベ』――新曲で広がる幅
『DIVER』は最も躍動的だった。強いビートと速く変わる動きで、四人の力が前面に出た。明るく親しみやすいだけでなく現代的で強い空気も表し、速度を上げた。
歌と振付が一続きだった。立ち位置を変えつつ各パートを保ち、重なる動きでは一体感を示した。以前より振付の比重が高い曲で、表現の範囲が広がったことも分かった。
一方『ミチシルベ』は違う温度を作った。道を案内する印を意味する題名どおり、そばで方向を探すような温かなメッセージがある。強い動きより詞と感情へ焦点を当て、落ち着いて届けた。
メンバーの作詞参加も特別だ。外部の完成品を歌うだけでなく、本人たちの思考や言葉が入る。あさ陽あいの温かな詞が他の声で広がり、個人の話がチームのメッセージになった。
二曲の空気は違っても、並べると方向が明確になった。パフォーマンスを強めた躍動と、詞の温度を伝える叙情の両方を歌い、一イメージにとどまらない拡張を示した。
『青い珊瑚礁』のなじみの情緒――世代を近づける選曲
この曲は新曲と別の方法で空気を変えた。長く日本の大衆音楽を代表した旋律の力があり、世代ごとに違う記憶を持つ人も自然に受け止めやすかった。
交流の中で日本音楽の流れも示した。第1部の韓国伝統、第2部の現代K-POPへ、日本のなじみの旋律が加わり、両国の複数の時間が同じ舞台で会った。
みゆらは爽やかで明るい性格を生かし、新曲と異なる表現をした。『DIVER』の力に対し、親しみと軽さを自然に届け、温度を変えながら次へつなぐ役割も果たした。
多世代の交流行事では新旧の釣り合いが重要だ。新曲だけなら方向は明確でも初見には遠い。この曲は間を縮め、楽に公演へ入れるようにした。
色の異なる四人――曲に応じて移る中心
四人は異なる声と表現で満たした。一人が引っ張るより、曲の空気と構成で中心が自然に動く。各自の色を示し、他者の声や動きを受け止めて釣り合いを保った。
五曲が違うため、個性も一方法だけで出なかった。強いパフォーマンス、温かな感情、なじみの旋律、両言語の接近が続いた。曲に合わせて調整し、異なる空気を作った。
『DIVER』は力、『ミチシルベ』は温かな詞と落ち着き、『青い珊瑚礁』は爽やかさ、残る二曲は言語を往復し、趣旨を直接示した。
違いを一形へ合わせるより、曲ごとに特徴を出した。同じ曲でもパートの交代で声と空気が変わり、最後は一つの呼吸になった。違う色が単調さを防いだ。
流れを支えたかのうみゆ――耐えた時間の安定感
みゆは無理に存在感を出すより、異なる個性を一流れにつないだ。九州の大牟田で育ち、学生時代から福岡へ通って夢を具体化し、18歳で東京へ移って舞台を作った。
急な注目より準備と挑戦で経験した分、今回も自分のパート以上に全体と四人の均衡を保った。視線を独占せず、必要な時に重みを加え、他者の表現の時は退き、温度を整えた。
その安定は再挑戦で蓄えた経験に近い。思う結果でなくても手放さなかった時間が、強く出るより曲とチームを最後まで支える姿勢になった。経歴を説明せずとも、全体を支え呼吸をつなぐ姿に積んだ時間が出た。
五曲を巡る中で明確だった。『DIVER』は強いパフォーマンスと現代的な空気で力を上げ、速い動きでも流れを失わず、一緒のパフォーマンスで位置を保った。
『ミチシルベ』では力を抜き、詞が届くよう抑えた。『青い珊瑚礁』は爽やかな情緒、残る明るい二曲は楽な空気でつないだ。
表情や動きだけでなく、力と感情の密度も変えた。必要なら速さを上げ、詞と声が大切なら過剰さを減らす。一イメージに固定されず、全体では安定を保った。
強みは圧倒より最後まで責任を持つ態度に近い。感情を爆発させず曲に収め、自分だけより四人の声と動きを一公演へまとめる。大牟田から福岡、東京、挑戦と再挑戦で積んだ時間が揺らがぬ安定となった。
他者の色を隠す安定ではない。三人が自然に声と表現を出せるよう支え、違いがばらばらに見えない流れを作った。前に立つ時より全体を見た時、役割が明確だった。
存在感は強い一場面より、公演全体で徐々に残った。個性を失わず一チームになった背景に、必要な表現を選び均衡を保った役割もあった。

韓国語の『DING DONG ください』、二言語の『愛のバッテリー』
趣旨を最も直接示したのはこの二曲だ。前者は韓国語版、後者は詞を半分ずつ分け、一曲で自然に両言語を往復した。
日本語題名の曲を韓国語版で歌う点が趣旨に合った。日本で韓国語を届けても明るさと親しみは保った。違いを障害でなく、文化を結ぶ仕掛けとした。
後者ではさらに明確だった。原曲の韓国語と日本語を組み、韓国客にはなじみの情緒、日本客には内容や空気へ近づく入口を作った。完全翻訳でも原曲再現でもなく、共に入れた点が特徴だ。
順番に言語が続き、同じ旋律と感情を共有した。切り替えても明るい流れは途切れず、違う言語でも同じ情緒を届けられると示した。
前の流れともつながる。第1部の『アリラン』『Areumdaun Nara』が伝統の情緒と音色、第2部が現代文化を示した。最後は韓国語版と二言語曲で、伝統からK-POPへ続いた交流を歌で締めた。
明るさを生かしつつ、切り替えが分離しないよう続けた。発音や言語を特別扱いせず曲へ溶かし、同じ舞台へ共存させた。
多世代には、親しい旋律と異言語が入口を広げた。各自の慣れた言語で受け止めつつ、一つの旋律と舞台を共有できたからだ。
形式的説明より歌そのもので趣旨を伝えた。一方向に紹介するだけでなく、言語を往復して接点を作る。違いを消さず使い、異文化が自然に会えると示した。
最後まで続く交流――sis(シス)が完成させた第3部
同公演は多様な人が歌と踊りで両国を紹介し、一公演で分かち合った行事だった。一国や一ジャンルを押し出すのでなく、各自が参加して交流を作った点に意味がある。
合唱と伝統楽器が情緒とメッセージを届け、ダンスが若く躍動的に広げ、ライブがまとめた。新曲、既知の歌、韓国語版、二言語が続き、最後のメインとなった。
グループにも行事出演以上だった。複数組の交流で最後を任され、五曲で第3部を満たしてメインを果たした。初見には音楽と個性、ファンには新曲を含む四人の今を示した。
『DIVER』はパフォーマンスの幅、『ミチシルベ』はメンバーの思考を入れる可能性を示した。『青い珊瑚礁』は世代を近づけ空気を変え、二曲は両言語で趣旨を直接伝えた。
みゆは一場面より全体を安定させた。大牟田で育ち、福岡と東京で夢を準備し、挑戦を重ねて居場所を作った時間が、揺らがぬ姿勢になった。他の個性を支え、必要なら明確な力と表現も加えた。
個性を保ち一チームで完成した点も重要だ。みゆが中心を支え、三人が声と表現を加えて均衡を作った。誰かを消して同形にするより、強みを保って色を完成させた。
全体は伝統と現代、合唱と踊り、器楽とライブの出会いだった。最後に立ったグループは多様な流れを五曲で結び、両言語の歌で趣旨を明確にした。
10回目が音楽で日韓の出会いを続ける場なら、第3部は今も続くと示すフィナーレだった。伝統からK-POP、ライブへと進み、文化と世代が一舞台で会う可能性を再び示して閉じた。





