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REVIEW · コンサート・ライブ

sis新宿ReNY、「DIVER」と「ミチシルベ」が告げた変化

公開 2026-05-06 · 更新 2026-10-24 · CROSSWAVE EDITION

sis新宿ReNY、「DIVER」と「ミチシルベ」が告げた変化
DATE2026.05.05VENUE東京・新宿ReNYTIME15:00
LIVE6 TRACKS

東京PROLOGUEの主な演目

主な演目・曲順不問

  • DIVER
  • ミチシルベ
  • 愛のバッテリー
  • DING DONG ください
  • オムジチョク(엄지척)
  • Smile for me

sis(シス/SIS/T)は2026年5月5日、東京・新宿ReNYで単独公演を開き、新しい構成と新曲を披露した。従来のレトロ感と日本の歌謡曲カバーを軸にした舞台から、一歩広がる姿が見えた。初披露の「DIVER」「ミチシルベ」は、表現と音楽の両方で異なる方向を示した。

日本に加え韓国からのファンも集まり、開演前から活気があった。物販やVIP特典会も含む一日は単なるライブ以上の空気を生み、現在の活動の広がりを伝えた。

sis・2026年5月5日、東京・新宿ReNY

西新宿のライブホール、新宿ReNY

新宿ReNYは西新宿の代表的なライブホールの一つ。新宿アイランドタワー内にあり、狭く暗い地下空間という従来のライブハウス像とは異なる、現代的で整った施設だ。

周辺は昼間には会社員が行き交うオフィス街だが、開演が近づくとグッズを持つファンが集まり、空気が変わる。新宿の冷たい都会的な像とライブ文化が共存する、独特の場所でもある。

客席は円形に近く、どこからも比較的見やすかった。音響も安定し、低音が強く届きつつ声が埋もれない。照明も雰囲気を高め、この日は黒い衣装と重なって、以前より強い舞台の印象をつくった。

早くから並ぶ物販の列、韓国のファンも来場

入場よりかなり早くからファンが集まった。会場は2階だが物販列は1階から形成され、よく見かける日本のファンや韓国からの来場者が周辺に集まっていた。

販売開始まで公演や近況、座席の話をして過ごす。見るだけで帰るのでなく、物販や待ち時間まで体験の一部になる、日本の公演らしい空気ができていた。

新グッズにはエコバッグ、新しい応援タオル、公演のサイン入りポスターが加わった。従来のTシャツ、チェキケース、アクリルホルダー、ステッカー、カレンダー、CD、ランダムチェキも並んだ。

サイン入りポスターやランダムチェキには特に関心が集まった。狙ったメンバーが出ないこともあるが、会場ならではの楽しみとして受け止められていた。

sis・2026年5月5日、東京・新宿ReNY

指定席で開催、1ドリンク制も適用

一般的なスタンディング公演とは違い、今回は指定席だった。入場順で場所を取るのではなく、決まった座席番号で観覧した。

ライブハウスの1ドリンク制も適用された。入場時に別途ドリンク券を買い、場内バーで飲み物に交換する。日本ではなじみ深いが、海外ファンには独特に映ることもある。

開演までは地下ラウンジや周辺で待機した。時間が近づくにつれ、緊張と期待が高まっていた。

黒い衣装で登場、強まったコンセプト

15時、赤い幕が上がって公演が始まった。黒い衣装で登場したメンバーは、従来とはかなり異なる印象を残した。

明るく親しみやすいレトロ感から、より洗練された強い方向へ重心が移っていた。照明に黒い衣装が際立ち、舞台全体も力強く感じられた。

かのうみゆも、その衣装によく合う一人だった。普段から黒いスタイルを好むとされ、この日は持ち味がさらに生きたという反応もあった。明るくかわいい像に成熟した強さが加わり、集中を高めた。

全員のスタイリングにも完成度の向上を感じた。衣装だけでなく照明、振付、表現も変わり、より幅広いコンセプトを担えるチームだと示した。

新曲「DIVER」、これまでと異なる方向

最も大きな反応を得たのは新曲「DIVER」だった。終演後もよく話題に上り、従来像との差が最も大きい舞台と受け止められた。単なる一曲追加でなく、グループ全体の方向が変わるほどの印象だった。

昭和風のレトロ感や歌謡曲のリメイク中心から離れ、現代的なK-POP風の表現を前面に出した。強いビートと電子音を軸に、振付、照明、動線を重視した演出だった。

特に印象的なのは表現の密度だ。観客と明るく呼吸を合わせる以前の舞台より、強いカリスマ性と整ったパフォーマンスを強調した。速い移動と振付、瞬時に変わる照明が緊張を高めた。

黒い衣装も曲を支えた。成熟した洗練をつくり、強いビートにつながる。みゆは黒いスタイリングと自身の雰囲気が重なり、明るいかわいさにカリスマ性と色気を加えたような、強い存在感を見せた。

客席も熱く反応した。曲が始まると空気が変わり、歓声や応援の強さにも違いがあった。終演後には、初めてのスタイル、予想以上にK-POPらしい、新しい段階に入ったようだ、といった声があった。

単に流行を追う曲には感じなかった。レトロ感と日本のアイドル文化を土台に、日韓の音楽市場で影響の強いK-POPの表現を自然に取り込もうとしていたからだ。韓国のファンとのつながりも強まる最近の流れに重なる曲だった。

復古的なコンセプトにとどまらない意思も感じられた。親しみや明るさを軸にする定番曲から、より攻めた洗練へ重心を移し、今後の音楽の幅を予感させた。

「DIVER」はこの日の空気を変える核だった。新曲の発表以上に、現在のsisが向かう先を明確に示す舞台の一つだった。

「ミチシルベ」、温かさと耳に残るフック

もう一つの新曲「ミチシルベ」も好評だった。題名通り道しるべを意味し、温かな感情を保ちながらサビが強く耳に残った。終演後にも、思った以上に残る、つい口ずさむ、と感想が交わされた。

冒頭の雰囲気は従来像につながるが、かわいく軽快なだけでなく、明確な旋律と感情の線を強めていた。冬の歌やクリスマスキャロルを思わせる温かさもあり、年末らしい、冬に聴くと合いそう、といった声もあった。

特にサビの繰り返しと旋律が印象的だった。親しみやすく歌いやすい従来曲に、さらに強いフックを加えたようで、一度聴くと残り、終演後にも一部を口ずさむ人が見られた。

演出もその空気を生かした。「DIVER」の速い動きやカリスマ性に対し、こちらは感情の伝達を重視。表情、手の動き、客席への視線が温かさになじみ、観客も違う形で集中した。

みゆの声が合うという反応も多かった。感情的な旋律を繊細につなぐ持ち味が鮮明になり、柔らかな導入からサビへ感情を高める流れが自然だった。道しるべという題名にも合う雰囲気だった。

二つの新曲の方向の違いも興味深い。「DIVER」がK-POP風の表現と強いビートによる試みなら、「ミチシルベ」は温かさと日本のアイドルらしい親しみを残し、音楽の完成度を高める曲に感じられた。

2曲を出すだけでなく、今後の広がりを同時に見せる舞台だった。強い表現と感情的な旋律が同じ公演に共存し、一つの固定像にとどまらない幅を示した。

定番曲と日本のカバーでつくる流れ

新曲以外にも代表曲と日本のカバーが並んだ。「愛のバッテリー」「DING DONG ください」、最近よく歌う「オムジチョク(엄지척)」、日本の曲「Smile for me」などが含まれた。

発表だけに集中せず、積み重ねた雰囲気と新しい方向を同時に見せた。なじみの曲と試みが自然に混ざり、流れの中で現在地が見えるようだった。

レトロな日本の歌謡曲とオリジナルが混ざる点もsisの特徴だ。単なるアイドル公演とも、純粋なカバーライブとも言い切れない構造が、今回も続いた。

「愛のバッテリー」「DING DONG ください」は昭和歌謡を思わせる親しみや明るさを持つ一方、sis流の解釈で現代のアイドル公演として届いていた。「DIVER」のK-POP的要素も、全体の流れから大きく浮かずにつながった。

日本のレトロ文化、現代的な表現、韓国のアイドル的要素が分離せず共存することは、独特の強みだ。日韓のファンが自然に入り込む様子にも、その混合した個性と支持の広がりが重なっていた。

定番曲は会場を素早く高めた。イントロで反応が変わり、なじみの旋律に応援も積極的になった。メンバー名のコールが続き、曲ごとの応援のタイミングも自然にできていた。

「愛のバッテリー」は、何度も来る人には象徴的な一曲だった。反応が素早く上がり、メンバーも余裕ある表情で応じた。見るだけでなく、慣れた流れで一緒に公演をつくる空気だった。

「Smile for me」のようなカバーも多様さを支えた。最新曲だけで押さず、歌謡曲の感情を間に織り込み、sisの色を守った。日本のファンには親しみと懐かしさを同時に呼ぶようだった。

代表曲、カバー、新しいスタイルがつながり、単なる新曲発表以上に、今の姿と今後の広がりを同時に示す構成となった。

VIP特典のチェキで残す記憶

終演後、VIPチケットの観客向けに4人とのチェキ撮影があった。動線を素早く整理し、順番に進められた。

日本のアイドル文化ではなじみ深いが、余韻の残る中、近くで再会できることに満足するファンも多い。舞台上の人を目の前にする実感が、公演とは別の意味を持つ。

ただ進行は速かった。一人の時間は短く、撮ったらすぐ次へ進むため、十分な会話や感想を伝える余裕はほぼなかった。

この日だけでなく、現在の運営事務所の催しに共通する方式に近い。速い進行と回転を重視し、近くで会える利点と、すべてが短時間で過ぎる心残りが並存する。

終演直後には感想や応援、一言の会話を望むことも多いが、実際は挨拶、撮影、移動がほぼ途切れず続く。人数が増えるほど強まる傾向で、この日も列が素早く進み、タイトだった。

それでも機会があること自体には意味がある。日本の公演では撮影禁止も多く、この日も本編は不可だった。個人で公演を記録する方法は、ほとんどなかったのだ。

その中でチェキはグッズ以上のものになる。見に来た記憶を形にできる、ほぼ唯一の公式な記念のように感じられる。ファン文化で一枚が思い出を象徴し、大切にされる理由もそこにある。

「DIVER」「ミチシルベ」の初披露だっただけに、意味も大きい。空気と感情、直接見た記憶を後から思い出す手がかりとして、短くても大切な締めくくりだった。

満足と心残りの両方があった。もっとゆっくり話したい思いは残るが、撮影禁止が基本の環境で、記憶を形にし、終演直後に近くで会う機会はやはり意味のあるものだった。

新宿ReNYで見えた変化

従来のレトロ歌謡と身近な構成を残しつつ、「DIVER」「ミチシルベ」で広い音楽と表現を提示し、現在の変化を確かめられる公演だった。

「DIVER」は以前と違うパフォーマンスで強い印象を残し、「ミチシルベ」は温かさを保つ旋律とフックで新たな可能性を見せた。

一定の規模のある新宿ReNYで安定して進められた点も大切だ。音響、照明、会場の空気も完成度を高め、客席の熱は終始続いた。

既存像を守るだけでなく、現代的な表現と新しい音楽を積極的に試すsisの姿を残した公演だった。

コンサートとファンミーティングを併せて読む

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