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かのうみゆ、大牟田の記憶と「TERMINAL」の生まれた場所 — 3月8日「かのうのかのうSAY!!」

公開 2026-03-09 · 更新 2026-10-24 · CROSSWAVE EDITION

かのうみゆ、大牟田の記憶と「TERMINAL」の生まれた場所 — 3月8日「かのうのかのうSAY!!」
DATE2026.03.08

フォトアルバム「あきらめないで」の感想募集から大牟田の居酒屋の話、SISとソロの両立、「感謝の集い 2026」の準備まで。語りが一段と生き生きした第3回。

かのうみゆは、2026年3月8日放送のLOVE FMの番組 「かのうのかのうSAY!!」 で、フォトアルバムへの反響、大牟田や福岡にまつわる個人的な記憶、SIS(シス/T)とソロ活動の現在、日本初のファンミーティングの準備、そして新曲 「TERMINAL」 に込めた意味を自ら語った。1月、2月に続く第3回は、これまでよりもくつろいだ、おしゃべりの弾む雰囲気がまず印象に残る。

初回が出発点の説明、第2回がソウル公演とファンミーティングの後日談を中心とする近況報告だったとすれば、3月8日の放送はその二つを自然につなぐ回だった。リスナーと何度か時間を共有したためか、冒頭から語り口が柔らかい。バレンタイン、フォトアルバム、大牟田のファンからのメッセージ、日本のファンミーティング、質問コーナー、春とイチゴ、そして「TERMINAL」の生歌まで、多彩な話題を一つの番組で展開した。

印象的なのは、自分を「説明する」より「見せる」語りへと変わりつつあることだ。何をしたか以上に、そのとき何を感じたか、ファンとどう関係を築き、自作曲やステージをどう受け止めているかが伝わる。月に一度の近況トークというより、かのうみゆという人の歩み方を少しずつ確かめる記録に聞こえた。

第3回、自分のペースをつかみ始めたかのうみゆのラジオ

冒頭では「今日でもう3回目」と挨拶。1月、2月、3月と第2日曜日に自分の言葉を届けていることを改めて紹介した。3度目となった今回は、初回より言葉が自然に流れ出しているように感じられた。

最初はバレンタインの話。今年は誰にもチョコレートを渡していないと笑いながら、ファンには何か贈りたくてTikTokライブを行ったと説明した。「みゆは誰にチョコをあげたの?」と聞かれ、「もちろん誰にも渡せていない」と答えたという、ささやかなやりとりも明かした。

何気ない雑談に聞こえるかもしれない。だが、こうした言葉こそ番組に厚みを与える。ステージ上の姿だけでなく、同じ暦と季節を過ごす一人の人が見えるからだ。バレンタインにファンへ何かを届けたかった気持ちと、それをTikTokライブで形にしたことに、日常の延長でファンとの関係を考える姿勢が表れていた。

また、この時期はフォトアルバム 「あきらめないで」の初回特典付き予約の締め切りとも重なっていたと振り返った。2月14日が受付最終日で、その頃はアルバムの告知をたくさんしていたという。今はもう手元に届いているだろうから、SNSに感想を寄せてもらえたらうれしいとも語った。冒頭だけでも、新情報の告知にとどまらず、発売した作品とファンの反応がどう結びついたかを確かめる放送だと分かる。

3度目の自己紹介で、より深まった「自分の話」

今回も自己紹介を行った。「もう3回目なので、また同じ紹介と思われるかも」と本人は話したが、内容は以前よりずっと具体的だった。

福岡県大牟田市出身と紹介しつつ、正確には三重県で生まれ、3歳頃から大牟田で育ったと説明した。成長期のほとんどを福岡で過ごしたという意味で、自身を福岡の人と捉えていることが伝わった。

特に印象深かったのが、大牟田の居酒屋関係者から届いたDMだ。故郷で店を営む人が「こんな素敵な子が大牟田にいたんだ」と反応し、SIS(シス/T)の「愛のバッテリー」を店で流していると知らせてくれたという。

この話が心に残るのは、故郷との関係が「昔住んでいた場所」にとどまらないからだ。大牟田は育った街であると同時に、今の活動に気づき、応えてくれる新たな舞台にもなっている。自分の歌が実際の店で流れ、それが幼少期を過ごした街で起きている。過去の場所と現在の活動が再びつながることは、アーティストにとって小さくない意味を持つ。

SIS(シス/T)の「愛のバッテリー」とソロ曲の間で語った本音

興味深かったのは、 SIS(シス/T) とソロ活動の間にある気持ちを、率直に語った場面だ。大牟田の店で「愛のバッテリー」が流れているのはとてもうれしい。その一方で「これからは自分のソロ曲もたくさん流れてほしい」という思いもあると付け加えた。

軽い冗談にも聞こえるが、大切な発言だ。現在はソロアーティストとSISのメンバーという二つの軸で活動している。「トロット・ガールズ・ジャパン」を経てSISでデビューし、より幅広い層に知られるようになった。代表曲の一つ「愛のバッテリー」は、居酒屋やスナック、宴会など人々の熱気が集まる場所にもよく合う。その親しみやすさが地元の反応につながるのは自然なことだ。

一方、10歳から続けるソロ活動には、本当にやりたい音楽や物語、感情の動きがより直接に表れる。「SISで反応があるのはうれしい。でも、ソロ曲ももっと届いてほしい」。今回伝わったのは、そんな人間らしい、切実で現実的な願いだった。

単に二つを並行するのではなく、そのバランスを真剣に考えているのだろう。グループ活動が認知を広げるなら、ソロは自身の持ち味を深める仕事だ。両方を手放さず進もうとする姿勢の中では、放送で口にした「二刀流」という表現も自然に響く。

韓国番組への約1年の出演と、日韓を往復する現在

自己紹介では、オーディションをきっかけに韓国の番組にも出演し、その後は約1年、レギュラーに近い形で参加したと語った。番組は今もYouTubeで見られ、自分の名前で検索すれば関連動画がたくさん出てくると案内した。

短い話だが重要だ。現在の活動は、もはや日本国内だけでは説明できない。福岡や東京の舞台に立つだけでなく、韓国のテレビ、ライブ、ファンコミュニティー、現地のステージを実際に行き来してキャリアを重ねている。

本人は「今は日本と韓国を行き来しながら活動を広げている、かのうみゆ」とまとめた。自己PRにも聞こえる一文だが、第3回を貫く鍵でもある。SISとソロ、日本と韓国、地元と首都圏、放送とライブを横断する活動が、今の彼女を形づくっている。

「It’s a new world」を今の気持ちで聴き直す

最初に流れたのは 「It’s a new world」 だった。「新しい気持ちで聴いて」と紹介した。

曲名は、現在の立ち位置と不思議に重なる。初回と第2回では、新しいラジオやファンミーティング、韓国での活動、フォトアルバムについて繰り返し語っていた。それらが次第に形になり始めた第3回で、この曲を序盤に置いたことは偶然とは思えない。

長く活動するアーティストにとって「新しい世界」は、デビュー時だけの言葉ではない。キャリアを重ねるほど、新しさを意識して選ぶ必要も出てくる。この選曲は、自分がまた次の段階に入ったことを確かめる場面にも感じられた。

日本初のファンミーティングへ、ファンのコメントを印刷して事務所に

3月の放送の中心の一つは、 日本初のファンミーティング の準備だった。重要なのは、開催後ではなく開催前の収録だったことだ。まだ実施していないからこその、準備段階の思いをそのまま届けていた。

1月に韓国でソロのファンミーティングを開いた後、日本のファンからも開催を望む声が多く届いたという。それを聞き流さず、コメントを事務所の上層部に見せ、「こんなに声が来ている」と自ら説得したと明かした。予想以上に早く了承が得られ、スタッフと本格的に準備していると話した。

イベントは事務所が決め、アーティストはそれに合わせるものにも見えがちだ。しかし今回は、ファンの要望を自分で集め、実現に向けて積極的に働きかけた。舞台に立つだけでなく、ファンと会社の間で「こういう場が必要」と声を上げる姿が印象に残る。

Instagramストーリーズのアンケートなどで、ファンミーティングでやりたいこと、聴きたいカバー曲、見たい企画も直接尋ねているという。意見を集めて曲の候補を整理し、どんな構成なら楽しんでもらえるか考える過程が具体的に語られた。自分が見せたいものを披露するだけでなく、ファンが喜ぶ場を一緒につくろうとする準備の仕方がうかがえた。

「感謝の集い 2026」という、意外なほど端正な名前

ファンミーティングの話で特に興味深かったのは、 タイトルをめぐる説明だ。日本でのイベント名は 「感謝の集い 2026」。感謝を伝える集まりであることを、まっすぐ言葉にした名前だった。

本人も、自分のイメージに比べて端正で、少し堅い印象かもしれないと分かっていた。SISのマコトとカフェでお茶をしていた際、「このタイトル、誰が決めたの?」と聞かれたという。マコトにとっても、彼女の普段の印象からすると随分と丁寧な名前だったようだ。

だが、その点こそ大切だったと説明した。韓国の「1999」はコンサートに続く流れだったが、日本のファンミーティングはより熱心なファンが集まる場になると考えた。ならば最初に込めたいのは感謝だ。ライブでも感謝はあるが、より近い距離で伝える機会だからこそ、日本語の言葉と漢字が持つ温かな重みをタイトルに生かしたかったという。

堅さを狙った名前ではなく、日本初のファンミーティングで感謝を明確に伝えたいという選択だった。イベントの名前にも、感情の温度や関係の方向を考える姿勢が表れている。

「あきらめないで」がファンの手元に届き始めた頃

今回、フォトアルバム 「あきらめないで」は、これから宣伝する商品ではなく、すでに発売され、ファンの手元に届き始めた成果として語られた。バレンタイン頃まで初回特典付き予約を積極的に告知していたが、今は受け取った感想をSNSで聞かせてほしいという段階だった。

2月の放送とも自然につながる。前月の「予約してほしい」から、今月は「届いたら感想を聞かせて」へ。ラジオが実際のプロジェクトの進行をそのまま追っている。

「毎日、朝晩ちゃんと聴いている?」と冗談めかして尋ねる場面もあった。そこには本音もある。フォトアルバムは単なるグッズではなく、自分の曲や写真、それまでの時間をまとめた作品だ。ファンが手に取り、日常で繰り返し聴いて眺めることは、彼女の時間を自分の暮らしに迎え入れることでもある。

「DO IT NOW」、18歳の自分を刻んだビート

途中で選ばれたのは、18歳で書いたという 「DO IT NOW」 。「ビートがすごくいい」と紹介したとおり、歌詞や語り口にも、ほかの曲とは異なる肌触りがある。

10歳の感情が宿る「あきらめないで」や、最近の移動と出会いを映す「TERMINAL」に対し、「DO IT NOW」は18歳頃の鋭さと都会的な感覚を帯びて聞こえる。作曲の歩みが一つの雰囲気だけではなかった証しだ。同じ書き手でも、年齢や時期、見ている世界によって音楽の色は変わる。曲を並べた今回の放送は、その変化を自然に聴かせていた。

リスナーの便りが生むリズム——「ハッピーテニス」と「アコギズキ」

後半はリスナーのメールを本格的に紹介。ここから、番組にいっそうラジオらしいリズムが生まれた。

神奈川県のリスナー、 ハッピーテニス は、単独ライブやイベントに毎回足を運んでいること、「感謝の集い 2026」にも渋谷まで行くこと、彼女が生きがいだという思いを送った。正式なタイトルを書いてくれたことに感激し、この名前にしてよかったと話した。自身の生きがいも、舞台を開き、歌い、ファンに会うことだという。誰かの生きがいであることに感謝しながら、自分も仕事や公演、ファンとの時間に支えられていると返す言葉は短くも力強い。

続く質問は東京の アコギズキ から。曲はどう書くのか、突然浮かぶのか、ギターを弾きながらか、夜に書くことが多いのかと尋ねた。彼女はこの質問を歓迎し、一人で話し続けるラジオでは質問があると答えやすいと話した。ここにも3回目の変化がある。ラジオを一人で持ちこたえる場ではなく、問いと答えで一緒につくる場として捉え始めている。

曲づくりはメロディーから、歌詞は夜にあふれる

制作についての返答も、この回の聴きどころだ。自分は メロディーが先に浮かぶタイプだという。歌詞は後からつけることが多い。以前はギターを弾きながら両方が同時に出てくることも多かったが、最近は先にできた旋律に言葉を乗せることが増えたと説明した。

いつ歌が生まれるかという問いには、悲しいときや気分のよくないとき、いい一日ではなかったと感じる夜に、歌詞が一気に出てくると明かした。帰宅が遅くなり、寝る前に一日を振り返るうちに言葉があふれ、気づけば午前3時になることも多いという。

作曲を技術だけの話にしなかった点が印象的だ。むしろ歌詞を書くことは、 デトックスのようだと話した。心にたまったものが歌詞となって外へ出る。作詞は表現であると同時に整理であり、解放であり、自分を支える手段でもある。こうして創作を語る人には信頼が生まれる。完成品だけでなく、それが生まれる内側の仕組みを理解しているからだ。

春といえばイチゴ——福岡出身ならではの「あまおう」愛

福岡のリスナー、 ピンクのチークが春に楽しみたいことを尋ねると、すぐに イチゴを挙げた。春といえばイチゴで、最近よく食べているという。福岡出身として真っ先に思い浮かぶのは、やはり あまおうだと話した。

小さなあまおうでも驚くほど甘いと語り、幼い頃に母親が弁当に入れてくれた記憶も振り返った。最近はとちおとめ、とちあいか、スカイベリー、紅ほっぺなども試し始めたが、福岡の人間としては結局あまおうを推したいと笑う言葉が耳に残った。

特別な情報ではなくても、ラジオでは大切な場面だ。季節に何を食べたいか、幼い頃のどんな記憶とつながるか、どこの出身かが自然に表れる。暮らしの話が重なるほど、一人の人としての輪郭が鮮明になる。

作りたいグッズはペンライトやミニクッション、そして「ウサギ」

福岡のリスナー、 TYは、作ってみたいグッズを質問した。これにも積極的に答えた。

以前からアクセサリーやブレスレットを作りたいと考え、ファンにも欲しいグッズを尋ねたことがあるという。そこで意外にも多かったのは、 オリジナルペンライトだった。まだ作ったことがないため、次の機会にはぜひ挑戦したいと話した。

ミニクッションやミニ枕、クッションカバー、さらには枕カバーという提案も届いたそうだ。「枕カバーって何?」と本人も笑う場面は、今回の放送でも生活感のある一幕だった。ファンとの間に、親しみのある冗談が成り立っていることが分かる。

ここで意外なキーワードが出てくる。 ウサギだ。最近のTikTokライブでウサギのカチューシャをつけたのは、小さい頃から似ていると言われ、特にこの1年ほどは頻繁にそう言われたため、自分で買って試したのだという。ファンにはかわいいウサギと好評だったが、本人はカチューシャをしていること自体のほうが珍しいのではと感じたという後日談も、笑いを誘った。

アクセサリー、ペンライト、ウサギのモチーフなどが、いつかグッズになるかもしれないと話を結んだ。まだ企画以前の話だが、ファンの間で育っているイメージやキャラクターがよく見える。

即興の生歌「TERMINAL」が担った感情の中心

後半のハイライトは、やはり 「TERMINAL」 の生歌だった。アルバムの最後に入った最新曲で、今なら披露してもいいと思ったので歌いたいと説明。かなり長く実際に歌い、最後に礼を述べて曲の意味を話した。

この歌は、 韓国のファンとの出会いを経て、これまでの多くの出会いや別れ、再び新しく出会う過程の中で書いたという。感謝を込めた曲で、桜の季節にも合うと語った。

この説明は大切だ。「TERMINAL」は単なる別れの歌ではなく、日韓を往復する中で経験した人間関係、ステージ、人生の移動を凝縮した曲に聞こえる。タイトルのターミナルも、単なる交通施設ではなく、出発と到着、すれ違い、再会が重なる場所として受け取れる。今の彼女によく似合う比喩だ。

第3回が残したもの——ラジオが刻む現在地

2026年3月8日放送のLOVE FM 「かのうのかのうSAY!!」 第3回は、今を生きるアーティストの姿が立体的に伝わる回だった。バレンタインとTikTokライブ、フォトアルバム 「あきらめないで」への反響、大牟田の居酒屋からの便り、SISとソロの両立、韓国番組と日本ファンミーティング、質問への率直な答え、イチゴやグッズ、ウサギのカチューシャ、そして「TERMINAL」の感情。一つずつは小さな話でも、今回は一つの暮らしとして自然につながっていた。

何より、自分の言葉で話し始めていることが印象に残る。以前は説明が先に立っていたが、今回は語りの呼吸が先にある。ファンに何を届けたいか、どんな場を作りたいか、なぜ曲を書くのか。何に笑い、何に慰められるのかが、よりはっきり見えた。

近況を知らせるだけでなく、どんな気持ちで、どんな速さで日々を生きているかを聴かせる第3回だった。だからこそ、このラジオは単なる宣伝番組を超え、かのうみゆの現在を毎月記録するアーカイブになり始めている。

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