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REVIEW · フェス・音楽祭

sisが出会った徳島の日韓交流 — 鳴門×韓国フェア

公開 2026-03-21 · 更新 2026-10-24 · CROSSWAVE EDITION

sisが出会った徳島の日韓交流 — 鳴門×韓国フェア
DATE2026.03.20VENUE徳島 · 鳴門UZUHALLTIME本公演14:00 · 現場記録
LIVE6 TRACKS

鳴門×韓国フェア セットリスト

演奏順

  1. う、ふ、う、ふ
  2. 愛のバッテリー · 韓国語版
  3. DING DONG ください · 韓国語版
  4. I can’t stop the loneliness
  5. オムジチョク
  6. 青い珊瑚礁

「公演というより、一つの催しとしての構成」

2026年3月20日、徳島県鳴門市のUZUHALLで「鳴門×韓国フェア With NARUTO SUPER DANCE PROJECT」が開かれた。一つの公演を見るというより、日韓のコンテンツが同じ場所でどう混ざるかを確かめる催しだった。事前の案内もダンス、無料レッスン、ライブ、キッチンカーを含む複合的な構成で、現場もその流れをたどった。

無料入場の影響もあったのか、観客は特定のファンに限らず多様だった。舞台だけに集中するより、催し全体を楽しむ空気が自然に生まれ、通常のコンサートとは少し違う手触りがあった。

「開演前から生まれていた空気」

11時30分にキッチンカーエリアが開き、本公演は14時開始。会場へ直行するのでなく、外から流れが生まれるため、開演時刻だけに合わせるより自然に滞在時間が長くなる構造だった。

外では韓国料理を中心としたキッチンカーが営業し、単なる付帯設備でなくコンセプトの一部に感じられた。やがて観客が少しずつ会場へ入り、無理なくつながっていった。

sis · 2026.03.20 徳島・鳴門UZUHALLの様子

「幕開けはsis、最初から空気を盛り上げる」

予想と違い、ダンスチームではなくsisから始まった。この種の催しではパフォーマンスや導入企画が先になりがちだが、今回は最初から前面に立ち、直接流れを導いた。そのためか視線が一気に集まり、短時間で空気が整った。初めから公演の方向を明確にする場面だった。

「う、ふ、う、ふ」で始め、「愛のバッテリー」「DING DONG ください」「I can’t stop the loneliness」「オムジチョク」「青い珊瑚礁」と続いた。単に曲を並べるのでなく、軽く明るい導入からテンポを上げ、途中で変化を付け、最後まで流れを保った。

特に「愛のバッテリー」「DING DONG ください」「オムジチョク」を韓国語版で歌ったのが印象的だった。日本語版もある曲だが、この日は韓国語で進み、その選択が全体になじんだ。

日本の公演でも日本語に統一せず、曲の元の感覚を保つ選択だった。単なる現地公演ではなく、交流を基礎にした舞台であることが自然に表れた。

曲のつながりも自然だった。序盤からテンポを上げ、「I can’t stop the loneliness」で一度空気を整え、「オムジチョク」と「青い珊瑚礁」で反応を再び高める。後半ほど反応がはっきりと大きくなり、まだ序盤なのに一度頂点に近づくようだった。

最初に空気ができたことで、その後のダンス、レッスン、トークも自然につながった。単なる前座でなく全体の基準点をつくったという点で、sisの舞台は重要な部分だった。

「かのうみゆ、舞台で見えた変化」

目を引いたのは、長いストレートヘアで登場したかのうみゆの変化だ。以前より落ち着いた整った印象が、全体にも自然に影響していた。目立って突出するより、流れの中に安定を生むようだった。

明るい曲ではこれまでどおり力まずエネルギーを保ち、感情の場面では強く押すより流れに合わせて表現した。全体を主導するのでなく、チーム内の役割を的確に担って釣り合いを取ることで、舞台がより整って見えた。

sis · 2026.03.20 徳島・鳴門UZUHALLの様子

「ダンスとレッスンへつながる構成」

sisの後はZenith Glocal Academy(ゼニス・グローカル・アカデミー)のチームによるダンス。すでに空気が温まっていたため、単なる盛り上げより質感の転換となった。音楽中心から身体表現中心へ自然に移った。

続く無料ダンスレッスンは特徴的な企画だった。参加者が舞台で踊り、講師の助言を受ける形式で、通訳もあり日本の観客も参加しやすかった。完成品を見せるのでなく過程を共有する点で、普通の公演とは異なった。

「トークで切り替わる流れ」

レッスン後はカン・ジュン会長と振付師イ・ジュソンのトーク。テンポをいったん落とし、企画の方向と意味を説明した。舞台を続けるだけでなく、なぜこの内容なのかを伝える部分だった。

公演やレッスンの流れに教育とプロジェクトの説明が加わり、全体像が明確になった。単なる公演でなく長期的な企画につながることも自然に見えた。

「最後は安定したステージで結ぶ」

最後は松崎しげる。sisが序盤を盛り上げ、ダンス、レッスン、トークを経て、ベテランの歌でまとめる構成だった。多彩な内容を一つに束ねる役割だった。

「愛のメモリー」「ルパン三世」などで反応が再び高まり、密度も増した。特に、今年76歳という年齢を感じさせない集中と姿勢が印象的。歌うだけでなく最後まで流れを保つ姿に、経験が表れた。

歌もパフォーマンスもなお安定していた。無理に力を使わず自分のリズムで導き、最後を揺るぎなく結んだ。先の舞台が熱と流れを生んだなら、ここはそれを束ねて完成する時間で、松崎しげるの強みが最もよく見えた。

「全体として、構成が印象に残る催し」

規模以上に構成が残った。公演、教育、体験、外の空間が一つにつながり、見るだけでなく現場を経験する構造だった。

日韓のコンテンツが同じ舞台で自然に混ざる方法は、交流を越えて方向性を示す例に感じられた。企画が別々でなく流れの中で続き、全体が安定してまとまった。

sisはその最初の空気をつくり、後の企画を自然につなぐ基準点となった。特定の舞台だけでなく、複数の要素がつくる流れ自体が記憶に残る催しだった。