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FEATURE · コラム

「需要のない供給」にしては長生きしたステージ――ソン・シギョン「二人」と取引先の握手

公開 2026-10-31 · 編集更新 2026-10-31 · CROSSWAVE EDITION

男性だけの年末の客席にソン・シギョンが登場。歌うのは「二人」、ついた異名は「取引先との握手」。ラブソングと客席、ネットの見立てが生んだ笑いを振り返る。

ソン・シギョン「二人」・2013.12.27放送のステージ
901K · KBS광주 / KBS Gwangju · ソン・シギョン「二人」・2013.12.27放送のステージ ↗
BROADCAST2013.12.27ARTISTソン・シギョンPROGRAMMEユ・ヒヨルのスケッチブック

クリスマスにソン・シギョンを呼ぶと

年末の音楽番組にソン・シギョンが出演する。ここまでは自然だ。ところが客席は男性ばかり。曲は「두 사람(トゥ・サラム/二人)」である。照明もスーツも歌声もいつもどおり優しいのに、画面全体を見ると、どこか別の催しが開かれているようにも見える。

2013年12月27日放送の「ユ・ヒヨルのスケッチブック」、男性観客を招いた「寂しいお兄さんたち」特集。このステージは後に「需要のない供給」「取引先との握手」という言葉とともに見返されるようになった。KBS StarTVも2025年に公開したフル版のタイトルに「取引先との握手」を採用している。番組の正式な特集名より、ネットがつけた呼び名のほうが情景を素早く伝えることがある。

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ソン・シギョン「二人」・2013.12.27放送のステージ

PLAYBUTTON表記のKBS放送原本・2021.06.18再公開

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ときめきは任意、挨拶は必須

「取引先との握手」とは、よくできた見立てだ。歌手とファンの触れ合いを仕事の挨拶として読み替えた瞬間、同じ手の動きが違うジャンルになる。ロマンチックなバラードの舞台に、年末の挨拶回りが一瞬入り込む。歌は愛を約束しているのに、見る側はつい「今年もお世話になりました」という空気を想像してしまう。

ただ、観客がソン・シギョンを拒絶していると受け取ると、面白さの半分を落としてしまう。実際の映像には笑って手を振る人も、拍手する人もいる。「需要がない」ことを証明するために座っているわけではない。ラブソングを聴く姿が、うっとりした表情と歓声に統一される必要はないのだ。

「軍の慰問公演みたい」という冗談も、この画面の意外さを表している。実際の軍施設での公演ではない。いつもの音楽番組で客席の構成が変わると、同じ歌手と曲が別のコントのように見えてくる。こうした舞台に私たちが勝手に結びつけていた表情や反応が、少しずれる瞬間だ。

最後まで歌がいいから、余計におかしい

ここで歌手まで手を抜いたり、初めから笑わせるために歌ったりしていたら、短い一発芸で終わったかもしれない。しかし舞台の中心には、ずっと「二人」がある。穏やかな歌い出しからサビへ進む旋律と、言葉の終わりを急がない声が、客席の表情とは別に曲を運んでいく。映像はおかしいのに、歌はきちんと耳に届く。

「二人」は2005年4月7日発売の4枚目のアルバム「다시 꿈꾸고 싶다(もう一度夢を見たい)」に収録された。そばにいる人と時をともに生きていこうとする曲の優しさは、この特集でも変わらない。それを最後まで保つからこそ、客席との対比が生まれる。歌手はバラードを歌い、観客はそれぞれの聴き方で受け止め、後から見る私たちはその間で笑う。

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同放送フル版・「二人」、トーク、「素朴だった、幸せだった」

2013.12.27放送・2025.12.13再公開・冒頭から再生

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結局、供給は生き残った

「需要のない供給」は、一言で場面を思い出せる見事な呼び名だ。ただし、それをこの公演の実際の評価と考える必要はない。客席には拍手があり、放送後も人々はこの場面を見返した。放送局も年月を経て、その異名をタイトルにつけて再公開した。

最初は男性ばかりの客席に「二人」を歌う状況がおかしく、次には握手に添えられた解釈がおかしい。繰り返し見るうち、歌そのものも耳に残る。歌手の真剣さ、観客の反応、ネットのとぼけた命名が、一つの映像の中でそれぞれに動いている。

需要がなかったというには、この供給はずいぶん長く生き残った。