REVIEW · 楽曲・アルバム
ZARD「負けないで」——先を急がず、そばから送る応援

カラオケ曲番号
ZARD(ザード)の「負けないで」は、題名だけなら必ず勝てというまじないにも聞こえる。だが、歌の応援は結果を急がせる声だけではない。進む相手を見つめ、その方向へ心を送る関係もある。明るいポップロックが勢いを加えても、歌う人が相手の道を代わりに歩くわけではない。だから言葉の力は、命令の大きさより、そばを守る姿勢に見つかる。困難にある人を遠くから評価せず、同じ方向を見る声だ。
負けないで (What a beautiful memory 〜forever you〜)
応援する人はどこに立つか
応援では、力を与えたい思いがかえって負担にもなる。成功への確信を前へ出しすぎると、相手の恐れが語る場所を失う。題名の断固とした調子と、言葉を送る関係をともに見るのが、この曲の聴き方の一つだ。結果だけを要求する標語より、今走る人への呼びかけとして届く。まだつらい事実を認めながら、その動きを見失わない姿勢が、言葉へ別の重みを加える。
その視線は近くにいるときだけのものではない。離れていても思い出し、心を伝えられる感覚が応援を広げる。すべての苦労をともにしたとか、相手を完全に理解すると主張する必要はない。今力を出しているだろう人へ声を送ること自体が、関係の一つになる。優しさは完璧な理解の結果ではない。分からない部分があっても見つめ続ける心が、一人で進むように感じる人へ届く可能性をつくる。
力を与えても、代わりに歩かない歌
坂井泉水の声と明るい旋律は、応援を重く固めない。力を与え続ける決意だけを残さず、聴き手が自然に口ずさみ、自分の呼吸を見つけられるようにする。ポップスの親しさがメッセージを弱めるわけではない。覚えやすく歌い直せるから、必要なとき自分で取り出せる言葉にもなる。流れに乗る間、応援は外からの指示より、自分の身体でつくり直す動きへ近づく。
皆で歌う場面でも、中心の関係は消えない。同じサビでも、応援したい顔は違い、自分に歌う人もいるだろう。一文が複数の方向を含めることが、親しさを説明する。ただ、広く歌われるから皆に同じ感情を与えるとは言えない。大きな力になる人も、静かに聴きたい人もいる。自分の歩幅で受け取れる余地が、応援を生かす。
一人へ戻るサビ
応援は相手の旅を代わりに完成することではない。道は残り、疲れる日も来る。歌は未来を保証せず、今もう一度心を送る言葉を残す。題名の強さをそばからの声とともに聴くと、「負けないで」は他人より先へ行けという要求から少し離れる。自分の道をまだ手放さないでほしいという願いへ近づく。その願いを誰かへまた渡せるところに、明るい力がある。