REVIEW · 楽曲・アルバム
Big Deal「Dream Machines」――小さな夢がバンドの空間を得る

ARTISTBig DealWORKDream MachinesFORMAT音楽レビュー
レーベルのMuteは、「Dream Machines」が繰り返し見る夢から生まれたと紹介している。題名の夢は、漠然とした未来への希望だけを意味する言葉ではなくなる。目覚めた後も記憶に残り、また訪れる経験が出発点にある。個人の頭の中で繰り返されていたイメージが、他者に渡せる歌になった。
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Big Deal - Dream Machines
戻ってくる夢の親しさ
繰り返す夢には、親しさと制御できなさが共存する。同じ場面だと気づくことと、その場面が戻るように決めることは違う。この出発点は、題名の機械という語にも不思議な感覚を加える。意識的に動かさなくても戻る夢は、持ち主より先に動く装置のようにも想像できる。
その想像では、慣れた場所へ戻る喜びと、同じ場所から抜け出せない居心地の悪さが近づく。二つの単語の面白さもそこにある。夢という私的な経験と機械という非人格的な物を並べ、自分の中で起きるのに自由には扱えない状態を思い浮かばせる。
二人の音楽が広がる場所
この曲を収めた『June Gloom』で、ケイシー・アンダーウッドとアリス・コステローはドラムとベースを含む編成へ音楽を広げた。四曲目の「Dream Machines」もその変化の中にある。二人を中心にした音楽へ別の楽器が入り、近しい感情に重さと動きを加える空間が生まれた。
編成の拡大と個人的な夢という出発点は、異なる方向にも見えながら一曲の中にある。一人から始まったイメージが二人の作業を通り、より大きな音源へ移る。アルバムの変化の中に置くと、Big Dealが広げたのは音楽の規模とともに、小さな感情を受け止める空間でもあったと考えられる。