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REVIEW · 楽曲・アルバム

秦基博「Rain」、雨の後に少し明るい感情を残す

公開 2025-01-26 · 更新 2026-10-25 · CROSSWAVE EDITION

秦基博「Rain」、雨の後に少し明るい感情を残す
ARTIST秦基博WORKRainFORMAT音楽レビュー

カラオケ番号

2026年10月25日確認
DAM
秦基博
公式楽曲情報 ↗
JOYSOUND
秦 基博
公式楽曲情報 ↗
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「言の葉の庭」の雨を覚えている人には、「Rain」は映像から切り離しにくい曲だ。しかし、その雨には映画より先に存在した言葉と旋律が流れている。大江千里の作品を秦基博が歌い、皆川真人が編曲した録音が映画の最後に置かれた。原曲、カバー、映画の三つの時間が一曲に出会う。

制作についての本人の言葉が、その出会いを考える助けになる。2013年のインタビューで秦は、原曲の独特な譜割りと転調に触れ、映画の終わりを悲しくし過ぎないよう考えたと話した。雨のイメージと曲の感情を、一色に塗らない選択である。

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『言の葉の庭』エンディング曲

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原曲を変える前に出会う、馴染みのない言葉

カバーは同じ詞と旋律を受け取るが、歌う本人にも馴染みの言葉だとは限らない。秦が原曲の独自性を先に語った点は興味深い。自分の歌のように滑らかに変える前に、別の作者が作った文の動きと出会ったのだ。

原曲の声を再現することと、自分の方法で歌うことの間にカバーの場所が生まれる。独特な譜割りを通る呼吸を聴けば、同じ旋律へ新しい声が入った違いが具体的になる。原曲の存在と歌い手の個性は、互いを消す必要がない。

雨を悲しみだけで終わらせない編曲

秦はドラムと打ち込みに意図的に80年代らしさを置き、自らアコースティックギターを弾いたと明かしている。古い曲の時間を消し切らず、新たな録音をつくる方法だ。編曲者と歌い手が選んだ音が、映画の雨から別の感情を引き出す通路になる。

雨は関係の距離を見せるが、その中でも誰かは相手へ思いを伝えようとする。終わったことを見る悲しみと、まだ届きたい願いは同じ向きではない。映画の最後に開くのは、雨が降った事実より、その後に残る人々の時間のように感じられる。

エンディングの後にも聴ける声

映画で初めて聴けば、場面は旋律に長く結びつくだろう。映像なしで聴き直すとき、その記憶を捨てる必要も、すべての言葉を登場人物に合わせる必要もない。庭の雨を思いながら、相手に語りかける歌の人物にも出会える。

このカバーが広げるのは、その二重の場所だ。大江千里の作品へ遡る道、秦の声を追う道、映画の終わりを思う道が残る。雰囲気に合うという説明の先で、異なる仕事が同じ雨をどう通るかを聴くことができる。

参考資料

音源・制作情報

公式作品・音楽情報 ↗ · 秦基博の制作インタビュー ↗