REVIEW · 楽曲・アルバム
チャン・ボムジュン「揺れる花の中で君のシャンプーの香りを感じたんだ」、誰かの口へ移る歌

カラオケ番号
花の揺れる道で、別の香りに気づく。相手が先に現れるのではなく、その人のシャンプーの匂いが感覚に入る。チャン・ボムジュンの長い題名は、その順序を歌の入口に置く。誰かを好きだと説明する前に、普通の風景へ一人の痕跡が入り込む場面を渡す曲だ。
『恋愛体質〜30歳になれば大丈夫』のOSTとして出た曲の公式紹介には、登場人物が歌いやすいよう、ファルセットを使わず書いたという説明がある。自分の声だけに合わせず、ほかの人の口へ移る曲を考えたのだ。聴き手にも歌いやすく感じられる親しさには、ドラマの中で実際に歌われるという条件も含まれている。
感覚が先に動き、言葉があとに来る
匂いに気づくのに告白の勇気はいらない。一瞬ですでに身体は相手を思い出している。けれど、そこで知った気持ちを実際の言葉にするのは別のことだ。題名の生々しさは、その間から生まれる。道で起きた感覚は具体的でも、二人がどんな関係になるかはまだ決まっていない。
片思いを深い別れの回想だけとして読みにくい理由も、その違いにある。誰かの痕跡を見つけ、話しかけようかと考える現在が中心だ。香りの主が目の前にいないからといって、記憶をすべて終わった関係へ変える必要はない。一緒にいたい人を考え続けるだけでも、道は違って見える。
歌手の作った曲を登場人物が歌う世界
現実の作詞・作曲者はボムジュンだが、劇中ではソン・ボムスの元恋人が歌詞を書いたという設定がある。一曲に二つの出所が重なる。人物は曲に過去の関係を結び、画面の外の歌手は片思いを歌う。同じメロディが同じ事情だけを持つ必要はないことが、OSTの使われ方にも表れている。
視聴者は人物の歌う曲を先に聴いているかもしれないし、歌を知ってからドラマへ来ることもある。入口によって長い題名の表情は変わる。人物の記憶を思いながら、いつか自分の周囲の顔を考える。物語の中にありながら、その外でも歌が働く仕組みだ。
親しく歌い移せる気持ち
ボムジュンのギターに、ミン・ジェヒョンのベース、イ・ギュヒョンのドラム、チョン・ヨンホのキーボードが並ぶ。四人は編曲にも名を連ねる。近い歌声と同じくらい馴染む土台にも、共同の仕事がある。素朴な表面は感情を適当に処理した結果より、別の人が歌を受け取る場所を用意した結果として読める。
サビを覚えて簡単に歌えても、自分の気持ちを相手へ伝えることまで簡単にはならない。その違いがときめきを長く残す。口に馴染む歌の中で、語り手はまだ言葉を出そうとし、聴き手は自分の記憶を重ねる。花の景色は広くても、気づいたシャンプーの香りは一人に属する。親しい歌の中に残る具体的な顔だ。
